Mangerete il panettone?
こんにちは。町のイルミネーションがキラキラと美しい季節、皆さんいかがお過ごしですか?寒い冬は、家族や友達と過ごす団らんのひと時がひときわ温かく感じられますね。クリスマスが迫り、イタリアはプレゼント探しに奔走したり帰省準備をしたりする人でどこか忙しない雰囲気です。ご存知の通り、クリスマスは家族で迎える大切なイタリアの祝日。クリスマスから年末年始にかけて長期の冬休みを取るイタリア人も少なくありません。今回は、この時期にいただくクリスマスのお菓子をテーマにお便りします。
近年、日本でも見かけるようになったイタリアのクリスマス菓子。パネットーネやアマレッティなど、綺麗にラッピングされたイタリアのdolciは、日本やヨーロッパの国々をはじめ、イタリア国外でもクリスマス休暇の特別なスイーツとして人気があります。
中でもとりわけ有名なのが、ロンバルディア州のお菓子panettone(パネットーネ)。起源については諸説あり、「1300年に、とある子爵の宮廷で生まれた」、「ルードヴィーコ・スフォルツァの統治する15世紀のミラノで誕生した」などいろいろですが、実際の誕生はもっと古くに遡るという説が有力なようです。ミラノの方言でpanattonが語源です。
並んでおなじみなのが、ヴェローナのお菓子pandoro(パンドーロ)。こちらはオーストリアのお菓子に起源があると言われ、さらに遡るとフランスのブリオッシュにたどり着くと言われています。温めたパンドーロに粉砂糖をかけていただくのが王道とされ、通常は好みで甘さの調節ができるよう粉砂糖が小さな袋に分けられてお菓子の箱に入れられています。語源は読んで字のごとく、黄金色のパンを意味するpan(e) d’oroです。
現在はイタリア各地名産のクリスマス菓子が全国的に手に入るようになり、シエナを代表するクリスマスのお菓子panforte(パンフォルテ)、トスカーナ州のcantucci(カントゥッチ)、ナポリの小さな丸い揚げ菓子struffoli(ストゥルッフォリ)、北イタリアで特に目にすることの多いトレンティーノのzelten(ゼルテン)、ジェノヴァのpandolce(パンドルチェ)、シチリアのbuccellato(ブッチェッラート)、クレモナのtorrone(トッローネ)など、食卓にあがるお菓子もバリエーション豊かです。
どれもこれも美味しいイタリア菓子。クリスマスの温かい団らんのひと時に、家族や友人と取り分けて色々なdolciを味わってみたいですね。
本年もご愛読ありがとうございました!2014年も楽しい記事を発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。皆さま、どうぞ素敵なクリスマスと年末年始をお迎えください。Buone feste!
*当記事は2013年12月20日付けで、公益財団法人 日伊協会のサイトで紹介されています。